「悪い縁を断ち切り、新しい良いご縁を呼び込む」
- 2020-08-27
- ひとのおと
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鎌倉の中でも、特に、
四季折々の花が美しいお寺、
ということは、知っていたけれど、
「女性の駆け込み寺」
という歴史があったことを知ったのは、
つい最近のこと。
妙に気になり、すぐさまお参りにいった、そのお寺は、
北鎌倉「東慶寺(とうけいじ)」
だ。
駆け込み寺、別名、
「縁切寺(えんぎりでら)」とも呼ばれる、このお寺。
女性からの離縁が、
制度上できなかった江戸時代に、
夫の不貞などから、
立場の弱い女性を救うべく、
寺に駆け込んできた女性を匿い、
離縁を成立させていくまでの役割を担っていたのだそう。
しかも、「住職の情け」ではなく、
「幕府公認」で、だ。
当時は、お寺に勤める役人が、
「奥さんの意思は、とても固いです。
離縁状を書いてください」
と、夫側に伝えにいったり、
「夫も反省しているから、
そろそろ、家に戻りさない」
と、妻側を説得することもあった、
という話を聞いて、
なんと人間味あふれる、
面白いお寺なのだろう!
と、思うのは、私だけだろうか。
もちろん、今も昔も、当の本人にとっては、
「修羅場」だったのだろうけれど^^;
そんな話を聞いたものだから、
お寺には「怨念」が残っているのでは、
と、足を踏み入れるのにドキドキしたが、
そんなことは全くなかった。
夏日の下でも、このお寺の境内は、
楽園のように、平和で、穏やか。
私の頭に浮かんでくる、
当時の女性たちの表情からは、
怨念や、悲壮感というより、
むしろ、
これからの人生を楽しみにする
「軽やかさ」が感じられたのだ。
夫とは、清々と別れ、
「ここを出たら、何をしようか」
と、なんだか楽しそうだ。
よくよく考えてみると、
女性の立場は、さほど弱くなかった、のかもしれない。
というのも、
このような場が、公に設けられ、
万が一、夫が交渉に応じなかったとしても、
尼として修行をしたら、2〜3年で、
離縁が成立する仕組みだったそうだから。
意を決して、駆け込んだ先に、
女性たちが見つけたものは、
「未来への希望」
だったのではないだろうか。
私の偏見満載ではあるが、
女性のたくましさを感じ、
なんだか、清々しい気持ちになった^^
ちなみに、当時、「縁切寺」として、
公認されていたのは、2箇所。
この「東慶寺」と、
群馬県にある「満徳寺(まんとくじ)」だ。
もちろん、今現在は、
駆け込み寺としての機能はないのだけれど、
「悪い縁を断ち切り、新しい良いご縁を呼び込む」
そんなご利益のあるお寺、だ。
「人生はご縁がすべて。」
私は、そう信じているので、
東慶寺には、定期的に訪れたいなと思う。
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