「七年に一度の御開帳 善光寺参拝〜長野秘境旅その1 〜 」

昨日まで2泊3日、
長野へ出かけていました。

向かった先は、秘境・戸隠(とがくし)。

以前から気になっていたのですが、
いろんなご縁が重なり、今回の機会に恵まれました。

しかも、この春、長野は、
七年に一度の「善光寺」の御開帳!

コロナで一年延期になっての
このタイミングの御開帳ですから、

1日目は、善光寺へ
2日目は、戸隠五社巡りへ

訪れることとなりました。
 

 
1日目は、長野駅について早々、
食事をいただき、ホテルに荷物を預け、
その足でバスに乗り、善光寺へと向かいました。
 
バスをおりると、そこには、
歴史的な古い建物が並ぶ参道が広がっています。

建物の中は、書店や喫茶店など、
時間をかけて巡りたいお店がいっぱい。
 
参道沿いには色鮮やかな花がたくさん見え、
関東からやってきた者にとっては、
二度目の春の訪れを味わった心地です。

旅の序盤から、とても心が踊りました。
 

 
参道の先に現れたのは、「仁王門」。
 
善光寺の入り口です。

左右には、信じられないほど大きな仁王像が、
構えていらっしゃりました。

間近で拝見しますと、
阿形像・吽形像ものすごい迫力!

今にも風が吹き、荒波が立ち、
その息遣いが聞こえてくるようにさえ感じます。
 

(高村光雲・米原雲海作 木造仁王像。この大きさにもかかわらず「自立」しているのだそうです。)

 
 
仁王門を通り抜けると、
仲店通りが広がっていました。

御開帳を祝ってなのか、赤提灯が吊るされ、
活気ある雰囲気を盛り上げています。

実は、この仲店通り沿いにも、
本堂同様に重要なポイントがあり、
石川先生が、すかさず教えてくださりました。
 


そう。今回の長野旅は、石川先生と
先生の元に集う有志メンバーとの参拝です。

いつものことながら、学びあり、笑いあり、涙あり、奇跡ありの珍道中になっていきます。
 
さて、仲店通りを進んでいくと、
いよいよ、本堂前の山門が見えてきます。
 

 
この山門も非常に立派な造りでした。

写真に人の姿が見えますが、
上層部は拝観可能になっています。
 
この山門には「鳩字」で書かれた善光寺の額がかかっていました。

よく見ると「善」の文字の頭の部分に、
外向きの鳩が二羽見えます。

鶴岡八幡宮の「八」の字も鳩字ですから、
鎌倉との共通点が見え、嬉しくなりました。

ちなみに、善光寺の再興には、
源頼朝が深く関わっており、
善光寺や周辺には、その名前が見られます。

鎌倉とも縁が深い、善光寺。
ますます、身近に感じるようになりました。


さて、山門を通ると、
いよいよ目の前に、本堂が現れました。

本堂の前には、高さ10mの御開帳のシンボル
「回向柱(えこうばしら)」が立っています。
 
 

 
その前には、人が列を成していました。
みな、この柱に触るのを待っているのです。
 
というのも、この回向柱は、
本堂の前立本尊の御手(如来様)と
「善の綱」と呼ばれる五色の紐で繋がっているため。
 
回向柱に触ることで、如来様との結縁を結ぶことができるというわけです。

私も、ちゃんと触れてまいりました。

「縁」というものを目に見える形で表現する
日本の発想が面白いと感じると同時に、

いつの時代も、
慈悲の存在との確かなつながりを求め、
このように祈りを捧げてきたと思うと、

昔の人も、目の前の人も、自分自身も、
無性に愛おしくなるように思います。
 

 
ここから先、本堂内は、撮影禁止です。

非常に広い御本堂。

御開帳の時にだけお目にかかれるという
秘仏・前立本尊(一光三尊阿弥陀如来)は、
かなり離れたところから参拝することもあり、
想像よりも小さく見えました。

しかしながら、
その厳かな輝きと慈悲深いお姿には、
圧倒的な存在感がありました。

粛々と祈りを捧げた後は、
善光寺のもう一つのハイライト
「お戒壇巡り」へ。
 


 
お戒壇巡りとは、本堂の地下、 
御本尊の真下と言われる真っ暗な回廊を、
右手で触れる壁の感覚だけを頼りに、進んでいくのです。

途中に、御本尊とつながると言われている
取手のようなものがあり、これを探っていくのですが…

正直、とてもドキドキしました。
暗闇の中で、勇気を試されます。

ただ、その闇に不安を感じる一方で、
この世界に生まれる時の決心めいたものが、
内側から蘇ってくるような感覚がありました。
 
お戒壇巡りは、胎内巡りとも言われるそうで、
まさに、生まれ変わっていたのでしょう。

そういえば、人の細胞が全て入れ替わるのに、
7年かかるということを聞いたことがあります。

そう考えますと、御開帳の月日のサイクルは、よくできたものですね。
 

 
本堂から外に出ると、
ふわぁっと、風が吹きました。
 
次にお目にかかれるのは、7年後。
 
その頃には、私は40代後半になり、
子どもは高校生になっているはずですから、
生活も今とはすっかり変わっているでしょう。

私は、誰と、どこで、どんな風に生きているのだろうか。

そんなことを考えながら、本堂を後にしました。

いずれにせよ、また御開帳のタイミングには、
胸を張って次の7年をお伝えできるように、
日々を大切に積み重ねていこうと、心に誓いました。
 

(善光寺周辺の宿坊の通りも美しかった…)

 
善光寺の御開帳は、6月29日(水)までだそうです。

東京から長野まで、
新幹線でたった1時間半なので、
思ったより簡単に行くことができますよ!
 
 

– 御開帳 –
 
七年に一度、絶対秘仏である御本尊様のお身代わりとして、まったく同じお姿の『前立本尊』様を本堂にお遷しして全国の人々にお参りいただく盛儀です。

現在の本堂建立(1707年)の際、松代藩が普請奉行にあたったというご縁から、毎回市内の松代町から『回向柱(えこうばしら)』が寄進され、本堂前に立てられます。

回向柱は、『前立本尊』の右手の中指と“善の綱”で結ばれ、柱に触れる人々に“御仏”のお慈悲を伝えてくれます。

当初は令和4年4月3日(日)から5月29日(日)の57日間の予定でありました『善光寺前立本尊御開帳』ですが、密を避け、皆様に安全にご参拝いただくため、6月29日(水)まで期間を1ヶ月延長させていただきます。
 

(善光寺オフィシャルHPより)

 
 
かまくらのおと
白河晃子

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