春分の奈良 巡礼旅(桜井、飛鳥)


春分の日に一泊二日で
奈良の桜井市と明日香村を訪れました。

奈良には祖父母のお墓があるのですが
このエリアに訪れるのは初めて。

飛鳥以前の古代文化が栄えた地域で
古社寺、古墳、万葉歌碑などが多く残る
まさに、はじまりの地です。

(石川先生とそのお仲間とともに。大神神社、聖林寺、安倍文殊院、談山神社、橘寺、岡寺・・・目一杯堪能しました。)


遠くに見える大和の山々は
夢のように霞んでいて
段々畑が広がる集落には
ところどころ桜と菜の花が咲いていました。

“ 里山の春 ”と呼ぶのがぴったりです。

はぁ、こんなにも美しい世界があるなんて…

小さい頃に絵本で見たのか
生まれる以前の記憶が蘇るのか
知っている、という感覚を覚えました。

(滞在中にどんどん開いていく桜。春を迎える喜びとともに、切なさ、儚さを思わずにいられません。)


二日間かけて
日本の建国に関する神社や
飛鳥時代の主要な寺社仏閣を巡りました。

白洲正子の紀行文に出てくる十一面観音や
石川先生が数年前に偶然見つけたという龍神さまにもお目にかかりました。

神さまや仏さまと対峙することは
自分と向き合うことに他なりません。

(飛鳥寺(安居院)の飛鳥大仏。左右非対称のお顔で左から見ると優しく、右から見ると厳しいお顔をされています。)



折しも、春分。

日々の生活ですっかり後回しにしていた
心の整理が進んだように思います。

手を合わせ、目を瞑ると、
風はひんやりと冷たく
木々の音は一層清々しく感じられました。


柿の葉寿司、三輪そうめん、葛湯、お団子、奈良漬け、などなど。
ご当地グルメも楽しみました。

ホテルの食事も素晴らしかったです。

大和野菜や地域ブランド食材にこだわり、
一皿一皿丁寧に調理されたことが伝わってきました。



次にここへ訪れるのは、いつでしょう。

今週から子どもたちが春休みに突入するので
戦々恐々としていますが
そんな時に助けてくれるのは
美しい景色の記憶かもしれません。

すでに自宅に戻り
すっかり日常に埋没していますが
また行きたいと思える場所ができたことが
こんなにも心を明るくしてくれるのかと実感しています。


かまくらのおと
白河 晃子


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