「今後の暮らしを夢想する相棒」

楽しみにしている雑誌が届いた。

「HERS」だ。

以前は、本屋で購入していたのだけれど、いつからか店頭であまり見かけなくなり、ある日、本屋のおじさんに聞いたところ、月刊誌ではなく、季刊刊行になったのだと、知った。
 
それを聞いた当初は残念に思ったが、同時に、以前より発売が待ち遠しくなり、去年の冬からは、定期購読をすることにした。

定期購読というシステムは面白いもので、誰かからサプライズプレゼントを贈られたような、驚きと感動がある。

大切な人からの手紙を受け取ったかのように、毎回、ドキドキと包装を開けるのだ。

もちろん、元々自分で注文しているのだけれど、そんなことは数ヶ月も経てば、すっかり忘れてしまっている。

だから心理的には、本屋で購入するより何倍、何十倍もお得なのではないかと思う。

私が、おめでたい人間なのかもしれないが、とにかく嬉しいものは嬉しいのだ。
 

 
HERSというのは、光文社が発行する“大人の女性”向けライフスタイル情報誌だ。

もともと雑誌の存在は知っていたが、熱心に読み始めたのは、知人(元クライアント)に誘われ、HERSの企画するトークイベントに訪れたことがきっかけだった。

イベント内容を把握せぬまま、ノコノコと会場について行ったら、今井美樹さんと舘ひろしさんが目の前に現れ、心底、驚いたことを覚えている。
 

 
お二人のオーラと肩の力が抜けた軽妙なトークは非常に素晴らしかった。 

そのイベントは、ちょうど今井美樹さんが、新曲を出すタイミングで開催されたものでもあったので、曲作りの根っこにあるリアルな暮らしや心の揺らぎをありのままに語ってくださった。
 
その時の様子があまりにも屈託なく、不安や迷いもひっくるめて自然体に見えたものだから、

「あぁ歳を重ねるって、なんだかいいなぁ」

そんな印象が残り、それ以来、この雑誌を定期的に手にするようになったのだった。

毎回「暮らし」を軸に、うつわやインテリア、お家のレイアウト、そして、おしゃれなレシピなどがテーマに取り上げられている。

また、有名人や暮らしにこだわりのある人たちのお部屋が、しっとりとした陰影で、素敵に切り取られているので、眺めているだけでうっとりしてしまう。

そして、なぜか自分の家までグレードアップしたかのような錯覚をする。

もちろん、実際の我が家の佇まいはこの世界にほど遠く、お部屋のレイアウトも料理の盛り付けも、どう真似ても雑誌のようにならず、がっかりすることが多いのだけれど、それも伸び代と勝手に解釈している。

40〜50代になったらこんなお部屋に住んでいたいとか、こんなお皿を一通り揃えていたいなどと、よく考えている。

だから、私にとってHERSは、暮らしの本でありながら、自分の今後の人生を夢想することを楽しむための相棒でもあるのかもしれない。
 

 
そうそう、実はこの雑誌に着想を得て、かまくらのおとのWEBサイトをリニューアルすることになった。
 
もともとは、コラムに差し込む写真素材を撮ろうという考えだけだったのだが、出来上がった写真が想像以上に素晴らしく、WEBサイト全体を構築し直したくなってしまったのだ。

この夏に作業を進め、秋にはリニューアルオープンできたらいいなと思っているので、ぜひ、お楽しみに。
 
 
かまくらのおと
白河 晃子

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