よもぎだんごの思い出
- 2023-04-06
- くらしのおと
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先日のハイキングの帰り道のこと。
次男が道端で見つけたよもぎを「お団子にしたい!」というので、少しだけ摘んで帰ることにした。
彼は保育園に通っていた時(もう3年前!)に、よもぎだんごの作り方を園の先生に習ったそうだ。
鎌倉には公園や道端にもよもぎが群生している場所がある。贅沢なことに葉を摘むところから教えてもらったという。
そういえば「よもぎだんご食べた!」「おいしかった〜」と嬉しそうに帰ってきた日があったなと思い出し、口元が緩んだ。
季節の楽しみを教えてもらった記憶は、自然の巡りとともにふいに現れるから面白い。
(地面に座り込み黙々とよもぎを摘む次男。見分け方もよく心得ている。)
(よもぎの葉は裏が白いのが特徴だ。)
あいにく摘んだ当日は、おだんごをつくる余裕がなかったので、よもぎは茹でて刻んだ状態で保存することにした。
生葉はすぐしおれてしまうが、冷凍すると1ヶ月は持つようだ。
(よもぎは茎を取り除き、葉の部分だけ茹でる。お湯からあげたら1〜2分冷水で冷やして細かく刻む。)
そして昨日、いよいよおだんごを作ることにした。
材料を用意し始めると、さっそく興味津々で近寄ってきたのは次男だ。
近くで漫画を読んでいた長男はあまり関心がないようだ。声をかけてみるが漫画から一切目を離さない。
「ねぇせっかく春休みなんだから一緒にやろうよ!」
と語気を強めていうと渋々やってきた。彼はいつもこんな調子だ。きっとやり始めたら楽しくなるに違いない。
おだんご作りはとっても簡単だ。レシピは次のとおり。
◎レシピ
白玉粉 100g
上新粉 60g
砂糖 25g
よもぎ(ゆでて刻んだ状態で) 70gぐらい
水80〜100cc
※ 白玉粉を減らして上新粉を増やすと、もちもち感が減って歯切れのよい感じに!
①上新粉、白玉粉、砂糖をさっくり混ぜる。
ゆでたよもぎと水を入れて、耳たぶくらいの固さになるまでこねる。
②直径2センチぐらいのだんごをつくる。30個ぐらいできるはず。
③沸騰したお湯にだんごを入れ茹でる。
浮いてきて1〜2分経ったらお湯から上げ、冷水でしめる。
これで出来上がり!
あとは、きなこをかけたり、あんこをのせたりお好みで。串に刺しても楽しいかもしれない。
案の定、作り始めると、長男もがぜん楽しくなってきたようだった。
「うりゃあ〜!」「とりゃあ〜!」と二人して力づくでこね始める。
叩いたり、つぶしたり、投げたりせずにはいられないのは男子の性なのだろうか。だんごを丸めている間、始終声が飛び交っていた。
できあがっただんごは、大きかったり、小さかったり、丸かったり、楕円だったり。いびつで、個性的だった。茹で上がったらどんなになるだろう。そんなことを想像するのも楽しいものだ。
私も二人と一緒にこねた。
生地が手に吸い付く感触がとても気持ち良かった。
その昔、私によもぎだんごの作り方を教えてくれたのは、祖母だ。
祖母は何を作るにも手際がよく、その手元を見ているのが楽しかった。そんなことを思い出した。
祖母がつくるだんごは形がきれい。
私がつくるだんごは、やっぱりいびつで個性的だった。
「できても美味しい、できなくても美味しい」
手作りの楽しさを、祖母はそんな風に表現していたように思う。
失敗した時も「いやに硬くなってしまったねぇ」なんて笑いながら、家族みんなで食べたものだ。案外、そういう時の記憶の方が鮮明に残っているかもしれない。
だんごで失敗することはほとんどなかったけれど、子どもたちの手仕事を見ているうちに、そんなことを思った。
上手にできても美味しい。
うまくできなくても、不恰好でも美味しい。
3人でよく食べた。否、食べすぎた。
一緒につくった過程が、その味を何倍にも特別に感じさせてくれるのだろう。
来年の春も同じことができていたら嬉しいなと思う。
かまくらのおと
白河 晃子
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