蒐集もまた創作なり〜軽井沢安東美術館〜

久しぶりに訪れた軽井沢は、ここ数日の夏日をすっかり忘れてしまうほどの爽やかさでした。

最近はゴールデンウィークあたりから避暑地らしからぬ暑さと聞くので覚悟していたのですが、駅に到着したとたん通り抜ける心地よい風に拍子抜けです。

季節は鎌倉より少し遅いのでしょうか。
今、紫陽花が見頃を迎えていました。


今回の目的は美術館。

藤田好きにはたまらない!と絵画に精通された方に教えていただいた軽井沢安東美術館へ友人を連れ立って訪れました。

「世界で初めての藤田嗣治作品だけの美術館」「約180点の作品を所蔵」ということを知り、楽しみにしていたのですが、
「蒐集」という言葉がこれほど当てはまるコレクションは、世界中を探してもなかなかないのではないでしょうか。


同じ画家の作品のみで埋め尽くされた展示室は圧巻です。
聞くのと見るのではこうも異なるのかと思いました。

「蒐集もまた創作なり」

明治から昭和にかけての美術コレクター山本發次郎の言葉なのですが、
安東美術館はまさに収集の先に広がる創造の世界を見せてくれるように思います。

また、ただ飾るのではなく訪れた方にしっかり届くよう、創設者が心を込めて展示を企画されていることが随所に感じられました。

美術品を多くの人に見せるだけでなく、どのように美しく後世に手渡していくか、その考え方も示唆している素晴らしい場だと思います。

建築そのものも見応えがありました。人の少ない平日にゆっくりと巡るのがおすすめです。

(9/12まで開催されている企画展「藤田嗣治 猫と少女の部屋」の一部。館内の大半は撮影可でした。が写真を載せ過ぎてしまうと楽しみがなくなってしまうので、少しだけ。)


美術館の前後は、あまりにも緑が美しいので、しばし散歩を楽しみました。

行き着いた雲場池は鏡のような水面に、夏前の空と緑を静かに讃えていました。

お目当てのカフェが休店日だったのですが、偶然入ったカフェで素敵な出会いがあり、先の楽しみをひとつ持ち帰ることができました。

鎌倉に戻ると、むわっとした空気が肌にまとわりついてきました。
梅雨はどこへ行ってしまったのでしょうか。

今日一日の涼やかな景色が心に甦ります。
後ろ髪ひかれつつ東京行きの新幹線に乗りましたが、これが軽井沢の魅力なのかもしれません。

かまくらのおと
白河 晃子

鏡のような雲場池

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